LOVEHATE~御曹司社長と黒い子作り婚~
「え?それどういう事?
けど、千花は二股とかするような子じゃないから、なんで?」


晴君はそうやって、私の事を信用してくれていたんだな。


「二股じゃないけど…。
でも、ごめんなさい」


「ごめんなさいって。
相手は誰?うちの会社の人?それとも全然関係ない人?」


相手は、うちの会社の人間で。


眞山社長だけど。


それを言っていいのか。



「千花は、俺と結婚するんだよ」


その声に振り返ると、眞山社長がこちらに向かって歩いて来る。


何故、ここに眞山社長が?と一瞬考えたが。

随時行動を連絡しろと言われているから、
先程LINEで、この喫茶店で晴君と会う事を送っていた。



「眞山社長…」


晴君は、突然現れた眞山社長に戸惑った表情を浮かべている。


その、予想外過ぎる相手に。


眞山社長は、私の隣に腰を下ろした。

そして、テーブルの上で手を組むと、
前のめりで話しだす。



「以前から、千花の事はいいと思っていてね。
それで、今日の朝思いきってプロポーズしたら、オッケー貰えて」


そう、嘘を平然と付いている。


いや、嘘ではないのかもしれない。


何かしらの理由で、この人は結婚相手に私が"いい"と、私を選んだ。


そして、今朝の脅して私に婚姻届を書かせたのも、とるようにとればプロポーズ…。



「あの、本当に千花がですか?
そりゃあ、心変わりはあるかもしれないですけど。
そんな、今朝そう言われて、急にって」


「ほら、別に千花は俺を好きになったからとかじゃなくて。
ただ、結婚するのに俺がいいと思ったんだよ。
玉の輿だから」


きっと、眞山社長と結婚出来る事は、
周りから羨まれる事なのだと思う。


「―――分かりました。
ただ、千花には失望した」



晴君は席を立つと、そのまま店から出て行った。


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