LOVEHATE~御曹司社長と黒い子作り婚~
「眞山社長、これで良かったですか?
眞山社長の言う通り、晴君と別れました」
心にぽっかりと穴が空いたような気がするけど。
悲しみに襲われないのは、まだこの現実に頭が追い付かないからかもしれない。
「俺のアシストがなければ、千花はちゃんと篠宮君と別れられなさそうだったけど。
まあ、いいか」
そう言って、眞山社長はテーブル下の私の手に触れる。
「なにするんですか?」
それに驚き、その手を振り払ってしまう。
「そんな嫌がらなくても」
そう笑っていて。
「そうそう。さっき滝沢君から連絡があって。
無事に、俺と千花が夫婦になったって」
なんの実感もないまま、私は結婚した。
私は特に、眞山社長が好きでも嫌いでもなかったけど。
今は、この人が嫌いだ。
「二時間程なら時間作れるから、夫婦になったお祝いでも、今からしようか?」
「お祝い…ですか?」
「そう。二人っきりで」
そう笑う顔に、背筋が凍りつく。