LOVEHATE~御曹司社長と黒い子作り婚~

「眞山社長忙しいから、代わりに入籍の届けを出してあげただけ。
と、まあ、一応俺は弁護士だから、それ以上の事は話さないけど」


この人が話さないのは、
私の母親と眞山社長のお父さんとの長年に及ぶ、不貞行為。


それをネタに、私が眞山社長から結婚を強要された事。


「その女もそうだが、斗希、お前も何か眞山社長に弱味でも握られてんじゃねえのか?」


川邊専務は、それほど知的な印象はなかったけど、馬鹿ではないのだろう。


私の弱味はそうだけど、滝沢さんも眞山社長に弱味を?


「弱味といえば、弱味かな」


「なんだ?」


「篤は勘が良いから気付いてそうだから言うけど。
うちの奥さん、結衣は元々眞山社長と付き合っていた。
いや、付き合っていたと思っていたのは、結衣の方だけだったけど」


その滝沢さんの言葉に、何も知らなかった私は、驚いてしまう。


その結衣は、滝沢さんの奥さんの名前なのだろう。


確か、滝沢さんの奥さんは、昔、眞山社長の秘書の一人だった。


「ああ。なんとなくだが、そうかって。
眞山社長は上手く隠してたが、お前の嫁の方の様子見てたら…。
いや、悪い」


眞山社長は、奥村さんだけではなく、
違う秘書の女性ともそうやって。


もしかしたら、他にも沢山居るのかもしれない。


「気にしないで。
むしろ、そのおかげで俺は結衣と知り合えたわけだから。
この辺りは篤に話した事なかったけど、
俺が間に入って、結衣と眞山社長を別れさせて…。
なんでかその縁で、俺達結婚しちゃったけど」


"ーー眞山社長からの依頼は、面倒事ばかりーー"


それも、そう言う事か。


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