LOVEHATE~御曹司社長と黒い子作り婚~


その行為を終えると、倉持さんはさっさと衣服を整え、部屋から出て行った。



ベッドの上で、まだ裸のまま茫然とする私を、綾知さんはベッドに腰掛け見ている。


「後、もう少しそうしといて」


先程、私の腰の下に枕を置かれて、
その液体が流れ出さないようにされた。


自分の中に、よく知らない男の人の吐き出したものがまだ残っていて。


本当に、気持ち悪い。


「明日、早く帰って来るから」


そう言われ、顔だけ綾知さんに向ける。


「明日、引っ越し三時くらいからだろ?
四時迄には、帰って来るようにする」


明日、引っ越しするのは私だけだから、
べつにこの人が居なくても、問題はない。


私の荷物を、この人の家に運ぶだけ。


一応引っ越し業者に頼んだけど、大きな家具とかはないので、それほど大変ではないだろう。


「…明日、仕事なの?」


べつにどうでもいいのだけど、
そう問いかけてしまった。


「いや。美帆子の息子のサッカーの試合見に行くんだよ。
誘われて」


その、予想外の答えに、え、と声に出た。


「本当は、奥村さんの子供は綾知さんの子供なんじゃないの?」


奥村さんには否定されたけど、
そんな事を聞いたら、疑ってしまう。


「そんな言葉美帆子の耳に入ったら、怒るだろうな」


綾知さんは笑っていて。

実際、私は奥村さんに同じような事を言って、少し怒らせてしまった。



「奥村さんは、綾知さんの事、根は良い人だと言ってた。
だけど、私はそんな風に思えない」


今日の、この行為。


この人に良心的なものがあるのならば、
こんな酷い事なんて出来ない。


そこまで、母親とこの人の父親との不倫で、
憎まれているわけなんてない。


その不倫のせいで、綾知さんの両親が離婚したとかならともかく。


「さすがに、この事は美帆子には話してないよ。
他の男の子供を千花に産まそうとしているなんて。
知ったら、キレるだろうな」

そう言って笑っていて。


本当に、奥村さんは綾知さんの本性を分かっていないと、思った。


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