LOVEHATE~御曹司社長と黒い子作り婚~
「…では、いただきます」
ダイニングテーブルの椅子に腰掛け、
置かれている割り箸を割り、そのご飯を食べる。
お腹がペコペコだからか、ただの白いご飯なのにとても甘く感じて、すごく美味しい。
「食べ終わったら、シンクに置いといて。
キッチンはあなたは触らなくていいから」
「はい」
「私、そろそろ寝ますけど。
綾知が帰って来たら、冷蔵庫にカレイの煮付けが入っているから、レンジで温めて出してあげて」
「はい…」
「後、あなたは綾知が帰って来る迄、ちゃんとここで待っていなさい」
それに思わず、えっ、と思ってしまう。
「なに?その不満そうな顔。
夫が帰って来てもてなしてから、あなたはお風呂でもなんでも好きにしなさい。
ただ、あなたはバスルームは使わないで。
シャワールームになさい」
ここまで露骨だと、ああ、私はこの人に嫌われているんだな、って確信してしまう。
それは、ちょっと嫌いとかじゃなく、大嫌いなのだろう。
お義母さんが出て行くと、リビングと繋がったこのダイニングも静かで。
テレビだけじゃなく、エアコン迄消したみたいだから、なんだか、ひんやりとした。
なんか、もう嫌だな、と、頭を抱えてしまう。