LOVEHATE~御曹司社長と黒い子作り婚~
昔の事
朝は、綾知さんのお義母さんに対するフォローのおかげで、

あれから、朝早く起きる事はしなくてよくなった。


そして、家事を頼まれる事もなく、朝食も与えて貰えるようになった。


だけど、夜は変わらず。


ただ、家事に関しては、私もこの家に嫁いで来たからには、出来る範囲はしたいとは思っている。


今日も仕事を終え帰宅すると、ヘトヘトになる迄雑用を押し付けられ、白いご飯だけ出された。


だけど、綾知さんが帰って来ると、
ちょっとしたものだけど、私に夜食を作ってくれるようになり。


私と綾知さんは二人、遅い時間にそうやって一緒に夕飯を食べる。



「今月は接待もそうだけど、
会議とかで忙しいから。
もし、俺が帰って来る迄待てなかったら勝手に何か食べといて?」

綾知さんはそう言ってくれるけど。


勝手にそんな事をしているのを、お義母さんに見付かりでもしたら、また怒られる。


キッチンは、私に触って欲しくなさそうだし。


綾知さんのお義母さん、とても料理好きみたいで。


このキッチン自体が彼女の宝物みたい。


だから、嫌いな私に、触られたくないのだろう。


「今週の土曜も、俺出勤だから」


明日は金曜日で、明後日が土曜日。


私は土曜日が休みだから、綾知さんが居ないこの家で私は1日中過ごさなければいけないのか。


お義母さんにどんな嫌がらせをされるのか、
今から考えると嫌になる。


「千花、今日も先に風呂入って。
俺、後片付けておくから」


そう言われ、時計を見るともう日付が変わろうとしている。


「分かった」


そう言って、私はすぐにバスルームへと行った。


綾知さんにお義母さんとの事を全部話してから、
シャワールームじゃなくバスルームを使えと綾知さんが強く言うので、バスルームを使うようになった。


そして、風呂を終え髪を乾かしてベッドに入ると、
綾知さんがベッドに入る前に、いつも私は眠りに落ちている。


だからか、あの途中で辞めた時以降、今夜を入れて三度夜を一緒に過ごしているが、綾知さんとは何もない。


ただ、


「千花、おやすみ」


眠る私の頬に口付けているのは、
夢うつつで少し知っている。
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