俺様外科医の溺愛包囲網~嫌われていたはずが甘く迫られています~
要先生が日比谷先生と言い争ったとき、どことなく嬉しそうにしていた。あの時は違和感しかなかったけど、もしかしたらお母さんと同じ気持ちだったからかもしれない。
『颯士が自分から欲しいものを奪いに来るなんて珍しいな』って言って、嬉しそうにしていたっけ。
「宮永さん、颯士のことよろしくね。ちょっと偏屈で扱いづらいところあると思うけど」
「いえ、そんな。あ、やっぱり、はい。すみません、私お世辞が言えなくて」
「ふふふ、面白い子ね」
お義母さんは幸せそうな笑みを浮かべている。きっと彼らは他人にはわからない奥のほうで、深く繋がっているんだろう。誰に何を言われたって揺るぐことのない、確固たる絆で。なんだか素敵だな。家族って、血のつながりが全てじゃない。
「もういいだろ、昔話は」
聞いていられなかったのか、日比谷先生がすくっと立ち上がりこちらへ来る。そして強引に私の手を取った。
「あらいいじゃない。こうやって親子で集まることなかなかできないんだし」
「宮永にそんな昔話したって、面白くないだろ」
呆れる先生に、身振り手振りで否定した。
「おもしろいですよ! もっと聞きたいくらいです」