私の愛は···幻
8️⃣

🎹アメリカへ


待たせていたタクシーに荷物を
積み込み
先に箱の荷物を
アメリカへ送る。

携帯を新しい物に変えて
おばあさまに連絡をする。

久しぶりのおばあさまの声に
胸が詰まるが······
「明日、元気な天音を見せて。」
と、言われた。

今日は、私の身体への負担を
考慮して空港のホテルへ宿泊し
明日アメリカへ発つ。

今日で大丈夫だと言ったが
おばあさまから無理をしないように
温斗が言われているらしい。

私の今後については
おばあさまに全てを
任せている。

私はアメリカで
おばあさまの元で
ゆっくり過ごす事が決まっている。
おばあさま命令で······


温斗と二人で
ゆっくり食事を取り
最後の日本を堪能した?
日本に未練はない。

両親のお墓はあるが
いつかは、アメリカへ
移したいと思っている。

おばあさまに相談してみよう
と、考えていると
「未練等はない、みたいだな。」
「うん。ない。
ただ····
なぜ、堂基さんは、
私と結婚したのかな?
と、その疑問だけ。」
「どうだろうな?
あの男の気持ちなんか
わからないけど。

だがな、おばあさまの
大事な大事なお前を
こんな目に合わせて
ただで済むとは
思えないがな。
クスッ、楽しみだ。」
「えっ、何?
どういうこと?」
「お前は、あっちで
ゆっくりしていれば良いんだよ。」 
「もう、温斗は。」
と、話しながら
沢山食べれた。

「開放されたからかな?」
と、言う私に
「まぁ、少し食べたかな
と、言うぐらいだがな。」
と、温斗は言いながら
笑ってくれた。

やっぱり、温斗は優しい。

私の大切な従兄だ。

ホテルに戻り
早目に就寝する。
温斗は、隣の部屋だから
「何かあったら直ぐに連絡しろ」
と、言いながら部屋へと入って行く。

お腹が満たされたからか
身体が温かくなり
眠りにつけた。

もう、私の中に
堂基 健人と言う人は
完全にいなくなっていた。
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