私の愛は···幻
2️⃣

🎹仕事


音楽大学のニ年生の時

天音の両親と温斗の両親が
亡くなった。

その時 無気力になった天音は
フランスの交響楽団から頂いた
入団の話しを断った。

天音の両親は、日本で
温斗の両親は、アメリカで
それぞれ葬儀が行われた。

両親の保険の手続き
会社関係、事故については、
全ておばあさまにお任せして
天音は、アメリカへと向かい
おばあさまの元で過ごした。

おばあさまと寺田さん夫婦の
お陰で······
天音は、少しずつ、少しずつ元の生活に
戻って行く事が出来た。
もちろん、温斗も側にいてくれた。

温斗だって、両親を亡くして
大変だったのに······

そんな天音だが
無事に大学を卒業できた。

卒業後アメリカに永住しようかと
考えていたが
大学のピアノ科の教授に
ピアノ教室と
シャングリ・ラホテルのラウンジで
ピアノを弾いてみないか、と言われた。

シャングリ・ラホテルは、
ピアノ科でも優れた人に依頼がくる。
私は、そんな器ではないが
フランスの交響楽団に入れなかった事は、
大学に多大な迷惑をかけたはず。 

大学からも教授からも
なにも言われてはいないが·····

私は、おばあさまにも
相談して日本に残る事にした。
ピアノ教室は、
教授が経営をしている。

両親と暮らしていた家は
おばあさまが売却をした。

私が過去に囚われない用に。

街中の便利な所に
マンションを用意してくれた。
アメリカにいるおばあさまが
なぜ?と思うが
あまり深く考えなかった。
おばあさまは、昔から
そんな感じの方だったから。


天音は、
ピアノ教室は、毎日勤務。
シャングリ・ラホテルは、
金曜日と土曜日の夜のみ

催しかある時は
頼まれる事もある
そんな生活を送っていた。
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