エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい
「父さん、いきなりどうしたんですか?」
書斎の重厚な木製のドアを開けるなり、煌斗が父親に声をかけた。
デスクに向かって書類を見ていた宗一郎は、驚いたように顔をあげた。
「煌斗か。ノックくらいしなさい」
「すみません。気が急いてたんで」
「お前が結婚するなんて言いだすから帰って来たんだよ」
煌斗の父、片岡宗一郎は外見は細身で神経質そうだが、
性格は豪胆で仕事熱心な人物だ。
今も新規事業を立ち上げる時は現場に率先して赴いている。
今回も九州地区での大規模な開発に向けて、このところ九州支社のある博多に行ったきりだった。