エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい
むしゃくしゃした気分でジェニファーが宿泊している外資系ホテルを出た。
あの頃、彼女と結婚したのは打算でしかなかった。
身体の関係もなく、ただお互いに都合がいいからと割り切って籍を入れたのだ。
今さら肉体関係を迫られてもどうしようもない。
今の煌斗には、優杏しか必要ないのだから。
タクシーに乗って会社に戻ろうとした途端、信号にかかった。
(だが、困ったことになったな……)
ジェニファーは敵に回したくない人物だ。
彼女の父親はかなりの実力者だから、仕事上ではいい関係でいたい。
だが、彼女は仕事でもプライベートでも気に入らないことには容赦ない。
ため息をついて、煌斗がふと窓越しに歩道を見たら優杏に似た姿が見えた。
(あれ? 優杏じゃないか?)