エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい


翌日の午後、優杏は濃紺のピン・ドットのワンピースを着て約束のホテルへ向かった。

溝口の妻に会うのは少し憂鬱だったが、
きちんと挨拶をしておきたい気持ちもあった。

一階のカフェの天井からは、何本もの細い円筒形のクリスタルが下がっている。
その先端には小さなライトが輝いて、華やかな空間を作り出していた。

ちょうど三時とあって、お茶をする人で賑わっていた。

カフェの奥のテーブルに、溝口の姿が見えた。
入り口に背を向ける形で妻は座っているようだ。

長い髪を綺麗にまとめているから美しい項が見えている。
淡いクリーム色の半袖のニットスーツがよく似合う優杏よりも華奢な女性だった。


「遅くなりました」

優杏が声をかけると、妻ははっと息を呑んで振り返った。

優杏といきなり目が合う。

「あなたが……秋本さんですか?」
「はい、秋本優杏です。初めまして」


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