エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい


「申し訳ない。私が早く気がついていたら……」

溝口は、妻が原因だったことを詫びてくれた。

「本当にごめんなさい。まさか、お兄さまの訃報が届いてあなたが倒れた時の写真だなんて思わなくて……」

今にも泣きそうな声で、溝口の妻は頭を下げ続けている。

「どうやら妻の同期だった女性は、君のようにデザイナーになりたかったようだ。
現場から遠ざけられたので、君が賞を取って活躍しているのに嫉妬していたんだろう」

溝口の眉間には深い皺が刻まれている。
彼にとっても、あのころの社内での噂は苦痛だったに違いない。
それでも優杏を庇って、会社にコンペの実績を公表するように賭け合ってくれたのだ。



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