エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい


「あの、頭を上げてください。私は大丈夫ですから」
「でも……」

溝口の妻は、なかなか頭を上げてくれない。

「今は、結婚も決まって幸せです。お仕事もフリーで続けています」

優杏は納得してもらうために、結婚が決まったことを二人に告げた。

「それはおめでとう! 相手は誰か聞いてもいいかな?」

やっと溝口が微笑んだ。

「片岡地所の片岡煌斗さんです」

優杏はふたりに安心してもらおうと、あえて煌斗の勤め先も話した。

「それは素晴らしいご縁だね」
「兄の親友だったので、幼い頃からの知り合いなんです」
「まあ、初恋が実ったの?」

初恋が実ったと言われたら、優杏は真っ赤になって俯いてしまった。
肯定しているようなものだ。

「君が幸せそうでよかった。偶然会えたことにも感謝しないと」

溝口の妻は、夫が安心したように話すのを聞いて泣き笑いの表情になった。
優杏だけでなく、溝口夫妻も辛い思いを抱いていたのだ。



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