エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい
「青木所長!」
突然背後から声をかけられて、優杏は飛び上がるほど驚いた。
「なんだか、心に染みるなあ……創作意欲が湧いてくる絵だ」
青木が空を見上げながら、なにかブツブツと呟き始めた。
その隣では、紗子が残念そうな顔をして彼を眺めている。
「青木さん、仕事のイメージが湧いてくるとこうなっちゃうの」
せっかくイングリッシュガーデンを見に来たのに、
青木はクレヨン画の方が気になってしまったようだ。
「夏らしい、青い花がいっぱいね!」
紗子は青木を放っておいて、庭の散策を始めた。
アガパンサスやブルーサルビアが目に留まったのだろう、それらが植えてある方へさっさと歩いて行ってしまう。
自由に過ごすふたりを見ながら、優杏は四阿に座ったままだ。
「優ちゃん、お兄さんの仕事は現地の人たちに喜ばれていたんだね」
「ええ……」