エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい
思い切ってドアを大きく開けたら、すぐ目の前に優杏がいた。
ムサシをバスタオルで拭きあげながら、煌斗を見上げている。
「ど、どうしたの?」
彼女の髪も着ているものもぐっしょり濡れていた。
「無事だったか……」
ホッと息をつく。
「来て下さったの?」
ムサシが煌斗の姿を見て、キュンキュンと鼻を鳴らしている。
「ものすごい音がしてムサシが怯えてしまったから、なんとか家に入れたところの」
ずぶ濡れになっているところを見ると、ムサシを連れて家に入るのは大変だったのだろう。
「心配した」
煌斗も雨に濡れたままだったが、構わず優杏を抱きしめた。
「あっ……煌斗さんが濡れちゃう……」
「構わない、俺もびしょ濡れだ」