OL 万千湖さんのささやかなる野望
 


 地鎮祭はいいお天気だった。

 周りは山と畑と草まみれの荒地。

 だが、目の前には大きな道路が走っている。

 まあ、いい場所かな、と万千湖は思っていた。

 我が家でカラオケ大会やっても、何処からも苦情が来なさそうだ。

 いや、課長が参加してない場合は、課長から来そうだが……と思いながら、万千湖は神妙な顔で祝詞を聞いていた。

 しかし、どんなに騒いでも何処からも文句を言われない場所ということは、なにか事件があって、悲鳴を上げても、誰も助けてくれない場所だと言うことだ。

 万千湖は想像してみた。

 なにかで殴りかかられる自分。

 悲鳴を上げても誰も来ない。

 殴りかかってきているのは駿佑だった。

 他の人間がこの辺りに存在しそうになかったからだ。
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