OL 万千湖さんのささやかなる野望
「独身っ?」

「はあ、そうですね」

「……でも、長身でイケメンだけど。
 あの人と結婚したら、あんたと親戚になるわよね」

 ……なってはいけませんか?

「次々厄介ごとが舞い込みそうで怖いじゃない。
 で、お巡りさんは?」

「あっちで鈴加ちゃんと話してますよ」

 万千湖は鈴加と楽しげに話している田中洋平を手で示した。

 だが、そこで叫んだのは瑠美ではなかった。

「制服じゃないじゃないっ」

 何故か、安江はそんな文句をつけてくる。

 仕事中ではない洋平はもちろん制服ではなく、普通に小洒落た黒のブルゾンを着ていた。

 安江はじっくり洋平を観察しながら呟く。

「でも、顔は可愛いわね。
 ……あともうひとり、屈強な制服のお巡りさんがいるといいんだけど」

 何故、もうひとりっ!?
と思う万千湖の横で瑠美は、鈴加と洋平が話しているのを見ながら、

「なによ、大学生カップルみたいでお似合いじゃない」
と言って、舌打ちをする。
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