OL 万千湖さんのささやかなる野望
「あのー、指輪のお礼になにかしたいんですが。
 なにか私にできることないですか?」

「ない」

 ……ですよね。

 今、間髪入れずに言いましたね。

 まあ、私なんかに、課長にご奉仕して喜んでもらえるようなこと、できるはずもなかったですよね、と万千湖がしゅんとしたとき、駿佑が、

「いや、ある!」
と言い出した。

「えっ?」

「指輪の礼に、なにかしないと落ち着かないんだろう。
 ちょっと寒いがいいか?」

 あそこなら、今、誰もいないだろうから――。

 そう駿佑は言った。




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