OL 万千湖さんのささやかなる野望
 なんでしょう。

 眼光鋭すぎて、オーディションみたいなんですけど。

 いや、知り合いばかりの商店街のオーディションしか受けたことがないので、こういう審査員がいるかは知らないのですが……。

 あのときは、審査員の半数がふるまい酒で赤ら顔になってたしな。

 「アロマ・デイズ」は万千湖のソロ部分も多く、もともと歌い込んでいたので、いい感じに歌えた。

 その経験を次に生かすことはもうできないが、自分でも満足にできたな、と思ったとき、無表情に見ていた駿佑が手を叩いた。

 えっ、と万千湖は駿佑を見る。

 駿佑はステージにいる万千湖を見上げていった。

「満足だ。
 俺はお前のファンなのだろうかな?」
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