OL 万千湖さんのささやかなる野望
 吐く息白い、夜の山。
 そういえば、街中より綺麗に見える気がする星空の下で。

 駿佑は指輪の入った箱を取り出し、万千湖の薬指にあの可愛い指輪をはめてくれた。

 ……薬指にはめられると、ほんとうに婚約指輪みたいだな。

 でも、普段、指輪ってつけないから、他につける指思いつかないし。

 そういえば、はめてみてピッタリだったから、そのまま持ち帰れたけど。

 店員さんも極自然に薬指にはめてたな……。

 ……ところで、これは結局、なに指輪なんだろうな。

 婚約指輪じゃないから、

 ……同居人指輪?

 いや、なんだ、それ。

 そんなことをいろいろ思う惑う万千湖の指をじっと見つめて駿佑は言う。

「長くて綺麗な指だな」
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