嘘よりも真実よりも
「未知子さんが、こんな……」
便せんを折りたたみ、両手でそっと大切にはさみ込む。じんわりと、手のひらが温まるみたい。
「久我みちるさんをはじめて見かけた時、直己さんの娘だって、すぐにわかりました。はたちの時から、あなたは全然変わってないし」
彩香さんは苦々しげな表情をして、私の写真をひっくり返す。
「金城さんと話すあなたを見て、付き合ってるんだって、すぐにわかっちゃった」
「……」
「金城さんって、誰にでも優しいけど、好意を見せるとすごく素っ気なくするの。でも、あなたには違ってた。どっちかっていうと、彼の方が好意をむき出しにしてる」
「そりゃ、ベタ惚れだからな」
ちゃちゃをいれる清貴さんを、彩香さんは冷ややかに横目で見た後、私の手から便せんを抜き取り、写真と一緒にバッグにしまった。
「金城さんはあなたを富山みちるだと思ってるみたい。久我みちるでは付き合えないから富山を名乗ってるなら、彼をだましてるんですね」
「それは……」
図星だった。総司さんは、私が富山家で働く家政婦の娘と知っていたら、付き合ってくれただろうか。そして何より、四乃森直己の娘であることを知られたくなかった。
「金城さんをだますなんて、許せない」
彩香さんの鋭い声音が胸に刺さって、ちくりと傷んだ。
彼女は総司さんが好きなのだ。
だから、私を嫌ってる。
「みちるは、俺たちの妹だよ。ずっと一緒に育ってきた。それが事実だ」
清貴さんはあきれたように言う。彼はそう繰り返すしかできない。
「でも、血のつながりはないじゃない。それを隠してる時点で、後ろめたい気持ちがあるんでしょう?」
「金城さんが真実を知って、みちるを捨てるなら、それも仕方ないさ。なあ、みちる。その覚悟はしてるんだろ?」
便せんを折りたたみ、両手でそっと大切にはさみ込む。じんわりと、手のひらが温まるみたい。
「久我みちるさんをはじめて見かけた時、直己さんの娘だって、すぐにわかりました。はたちの時から、あなたは全然変わってないし」
彩香さんは苦々しげな表情をして、私の写真をひっくり返す。
「金城さんと話すあなたを見て、付き合ってるんだって、すぐにわかっちゃった」
「……」
「金城さんって、誰にでも優しいけど、好意を見せるとすごく素っ気なくするの。でも、あなたには違ってた。どっちかっていうと、彼の方が好意をむき出しにしてる」
「そりゃ、ベタ惚れだからな」
ちゃちゃをいれる清貴さんを、彩香さんは冷ややかに横目で見た後、私の手から便せんを抜き取り、写真と一緒にバッグにしまった。
「金城さんはあなたを富山みちるだと思ってるみたい。久我みちるでは付き合えないから富山を名乗ってるなら、彼をだましてるんですね」
「それは……」
図星だった。総司さんは、私が富山家で働く家政婦の娘と知っていたら、付き合ってくれただろうか。そして何より、四乃森直己の娘であることを知られたくなかった。
「金城さんをだますなんて、許せない」
彩香さんの鋭い声音が胸に刺さって、ちくりと傷んだ。
彼女は総司さんが好きなのだ。
だから、私を嫌ってる。
「みちるは、俺たちの妹だよ。ずっと一緒に育ってきた。それが事実だ」
清貴さんはあきれたように言う。彼はそう繰り返すしかできない。
「でも、血のつながりはないじゃない。それを隠してる時点で、後ろめたい気持ちがあるんでしょう?」
「金城さんが真実を知って、みちるを捨てるなら、それも仕方ないさ。なあ、みちる。その覚悟はしてるんだろ?」