嘘よりも真実よりも
嘘よりも真実よりも
***
みちると連絡が取れなくなって、一週間が過ぎた。
メールも電話も反応がない。仕事でトラブルがあったとは言うが、少しも連絡できないなんておかしい。百歩譲って、もし、トラブルが本当だというなら、余計に心配だ。
富山ビルのロビーにあるソファーに座って、スマホを操作する。みちる宛のメールを作成していると、幹斗がやってきた。
「悪いな、総司。ちょっと興味深い記事、見つけてさ」
仕事帰りに話があると、幹斗からメールをもらったのは、昼過ぎのことだった。
「いや、かまわない」
「まあ、そうだよな。都合悪いと遠慮なくおまえは断るしな」
にやっとしながら、彼は脇に抱えていた雑誌をテーブルの上に広げる。
芸能人のゴシップ記事と、ひとめでわかる、週刊誌だった。
「四乃森直己の隠し子? 好きだな、幹斗も。これ見せるために呼び出したのか」
記事の真ん中に大きく、隠し子発覚の文字がある。四乃森直己と言えば、椎名彩香の姉と結婚した俳優だったか。
「再婚だったのか?」
大して読む気もおきず、なんとなく記事を眺める。タイトルの横に、四乃森直己の写真が掲載されている。50歳らしいが、とても若々しい顔立ちをしている。
「いや、四乃森直己は初婚だよ。で、隠し子の年齢は20代後半。未婚の母親が育ててたみたいだけど、ちょっと気になってさ」
幹斗はページを一枚めくり、右下にある写真を指差す。そこには、目元を隠した女性の斜め後ろ姿が映っていた。
「これ、この人がその隠し子だってさ」
「ふーん」
写真を眺める。顔はわかりにくいが、スレンダーな女性だった。ゆるくパーマをかけた髪は長く、柔らかに腰まで伸びている。ロングスカートに、コートを羽織っているが、上品な印象を受ける。きっと、かなりの美女だろう。
「ちょっと、みちるに似て……」
みちると連絡が取れなくなって、一週間が過ぎた。
メールも電話も反応がない。仕事でトラブルがあったとは言うが、少しも連絡できないなんておかしい。百歩譲って、もし、トラブルが本当だというなら、余計に心配だ。
富山ビルのロビーにあるソファーに座って、スマホを操作する。みちる宛のメールを作成していると、幹斗がやってきた。
「悪いな、総司。ちょっと興味深い記事、見つけてさ」
仕事帰りに話があると、幹斗からメールをもらったのは、昼過ぎのことだった。
「いや、かまわない」
「まあ、そうだよな。都合悪いと遠慮なくおまえは断るしな」
にやっとしながら、彼は脇に抱えていた雑誌をテーブルの上に広げる。
芸能人のゴシップ記事と、ひとめでわかる、週刊誌だった。
「四乃森直己の隠し子? 好きだな、幹斗も。これ見せるために呼び出したのか」
記事の真ん中に大きく、隠し子発覚の文字がある。四乃森直己と言えば、椎名彩香の姉と結婚した俳優だったか。
「再婚だったのか?」
大して読む気もおきず、なんとなく記事を眺める。タイトルの横に、四乃森直己の写真が掲載されている。50歳らしいが、とても若々しい顔立ちをしている。
「いや、四乃森直己は初婚だよ。で、隠し子の年齢は20代後半。未婚の母親が育ててたみたいだけど、ちょっと気になってさ」
幹斗はページを一枚めくり、右下にある写真を指差す。そこには、目元を隠した女性の斜め後ろ姿が映っていた。
「これ、この人がその隠し子だってさ」
「ふーん」
写真を眺める。顔はわかりにくいが、スレンダーな女性だった。ゆるくパーマをかけた髪は長く、柔らかに腰まで伸びている。ロングスカートに、コートを羽織っているが、上品な印象を受ける。きっと、かなりの美女だろう。
「ちょっと、みちるに似て……」