嘘よりも真実よりも
思わず、そう言葉にして、口をつぐむ。
「おまえも、気づいた? これ、彼女じゃね?」
俺はじろりと幹斗を見た後、週刊誌を手に取る。
女性はホテルに入っていくところを撮られているようだった。肩にはビジネスバッグをかけている。
目を凝らして、写真を見つめる。このホテルは、アザレアホテルだろうか。入り口のドアに、アザレアの花をかたどったロゴが半分ほど見えている。
みちるは仕事の時によくアザレアホテルを利用するのだと言っていた。
「最近、連絡取れないんだろ? 何かに巻き込まれてるんじゃないのか?」
「記者につきまとわれてるから、連絡できないって?」
「ご明察」
そう答えたのは、幹斗じゃなかった。
俺は眉をひそめて、顔を上げる。いつの間にか、目の前に、富山清貴が立っていた。
清貴はにやけた顔で、俺の前に座る。緊張感がないというか、大して動じない男なのだろう。
誰? と目くばせする幹斗に、黙ってろ、と口パクで伝えて、清貴に尋ねる。
「みちるは元気にしてますか?」
「ん、まあ……、変わらない生活はしてるよ。ちょっと落ち込んでたみたいだけどね、結構いろいろ覚悟して生きてるからね」
「じゃあ、この記事は真実ですか」
ふたたび、週刊誌に目を落とす。
写真の下には、隠し子とされるMさん、と小さく書かれている。
「真実ってなんだろうな。俺たちはずっと、みちるを妹として扱ってきたよ。こんな記事で、俺たちの全部がわかるはずない」
幹斗が横で、ハッと息を飲む。清貴が富山の息子だと気づいたみたいだった。
「なあ、総司。次週号はさ、このMさんが隠し子だっていう決定的証拠の写真を掲載するって予告が出てるんだよ」
記事の全文を読んだ幹斗はあわてたように言う。
「本当ですか?」
清貴に尋ねる。彼はあっさりうなずく。
「おまえも、気づいた? これ、彼女じゃね?」
俺はじろりと幹斗を見た後、週刊誌を手に取る。
女性はホテルに入っていくところを撮られているようだった。肩にはビジネスバッグをかけている。
目を凝らして、写真を見つめる。このホテルは、アザレアホテルだろうか。入り口のドアに、アザレアの花をかたどったロゴが半分ほど見えている。
みちるは仕事の時によくアザレアホテルを利用するのだと言っていた。
「最近、連絡取れないんだろ? 何かに巻き込まれてるんじゃないのか?」
「記者につきまとわれてるから、連絡できないって?」
「ご明察」
そう答えたのは、幹斗じゃなかった。
俺は眉をひそめて、顔を上げる。いつの間にか、目の前に、富山清貴が立っていた。
清貴はにやけた顔で、俺の前に座る。緊張感がないというか、大して動じない男なのだろう。
誰? と目くばせする幹斗に、黙ってろ、と口パクで伝えて、清貴に尋ねる。
「みちるは元気にしてますか?」
「ん、まあ……、変わらない生活はしてるよ。ちょっと落ち込んでたみたいだけどね、結構いろいろ覚悟して生きてるからね」
「じゃあ、この記事は真実ですか」
ふたたび、週刊誌に目を落とす。
写真の下には、隠し子とされるMさん、と小さく書かれている。
「真実ってなんだろうな。俺たちはずっと、みちるを妹として扱ってきたよ。こんな記事で、俺たちの全部がわかるはずない」
幹斗が横で、ハッと息を飲む。清貴が富山の息子だと気づいたみたいだった。
「なあ、総司。次週号はさ、このMさんが隠し子だっていう決定的証拠の写真を掲載するって予告が出てるんだよ」
記事の全文を読んだ幹斗はあわてたように言う。
「本当ですか?」
清貴に尋ねる。彼はあっさりうなずく。