嘘よりも真実よりも



 薄暗いリビングの中で、清貴さんの買ってきた週刊誌を閉じる。大手4社のうち、週刊ベリテだけが私の写真を載せている。以前、自宅前で写真を撮った週刊誌だろう。

 小さなため息をついた時、明かりがつく。

「ああ、いたのか、みちる。電気ぐらいつけなさい」

 まるで母親のように注意するのは、仁志さんだった。今日ははやく帰ってきたけれど、仕事があると早々に部屋に引っ込んでしまっていた。ひと息つきに、やってきたのかもしれない。

「コーヒー、淹れますか?」
「いや、自分でやるよ」

 彼はソファーから立ちあがろうとする私を制して、テーブルの上の週刊誌に目を移した。

「清貴が、直己さんに会いに行くそうだね。みちるは行かなくてよかった?」
「はい。会いたくないですから」
「はっきり言うんだね。直己さんは会いたいかもしれないよ?」

 小さく笑って、彼は私の隣へ腰を下ろす。

「もう、いいんです。あの人のことは考えたくないです」
「さゆみさんが人殺しだって言ったんだってね」
「事実ですから」
「あれは事故だよ」

 困り顔の仁志さんは、さとすように言う。でも、私の心は意固地に凍りついていた。

「わかってます。でも、祖父母を殺したのは、あの人です」
「……そうだね。事実は変わらないね。みちるは、どうしたい?」

 ソファーの背に腕を乗せ、彼は私の顔をのぞき込む。

「今までと、変わらない生活がしたいです。ここでずっと暮らしたいです」

 少し前までは穏やかな生活をしていた。総司さんと出会う前に戻れたら、誰も傷つけずに済んだのに。

「金城さんと別れる?」
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