嘘よりも真実よりも
「……ご迷惑はおかけできないです」
「彼が大切なんだね」
そう、と息をついて、仁志さんは私の髪をゆるりとなでた。なぐさめるみたいな手つきだった。
そのまま髪をからめ取った人差し指が、ほおに触れてくる。総司さんがそうやって私に触れた日が遠い日に感じた。
思わず、胸がつまって、うつむく。
はやく会いたい。
はやく触れてほしい。
その願いが叶う日はもう来ないんじゃないかと思って。
「俺はかまわないよ。みちるがずっとここにいたいなら、そうするといい」
「仁志さん……」
仁志さんの両手が私のほおを包み込む。温かくて柔らかな手だった。ホッとするような。でもやっぱり、私がほしい手はこの手じゃなくて、涙がこみ上げてくる。
「みちる、つらかったね」
「……」
声を出そうとすると唇が震えて、うなずくようにまばたきをしたら、ポタポタと涙がこぼれた。
「みちるはずっと強い子だった。どんなにつらくても、泣かない子だった。でも、金城さんのこととなると、涙もろくなるね」
仁志さんは私の髪を優しくなでて、涙にぬれた私の顔を胸に押し当てるように抱きしめる。
「金城さんと別れるなら、それでもいい。だけど、このまま終わらせたらいけないよ。中途半端に終わらせたらどうなるか、それはみちるが一番よくわかってることだよね」
「でも……」
「金城さんは迷惑だなんて言わないよ。だから、電話してあげなさい」
「彼が大切なんだね」
そう、と息をついて、仁志さんは私の髪をゆるりとなでた。なぐさめるみたいな手つきだった。
そのまま髪をからめ取った人差し指が、ほおに触れてくる。総司さんがそうやって私に触れた日が遠い日に感じた。
思わず、胸がつまって、うつむく。
はやく会いたい。
はやく触れてほしい。
その願いが叶う日はもう来ないんじゃないかと思って。
「俺はかまわないよ。みちるがずっとここにいたいなら、そうするといい」
「仁志さん……」
仁志さんの両手が私のほおを包み込む。温かくて柔らかな手だった。ホッとするような。でもやっぱり、私がほしい手はこの手じゃなくて、涙がこみ上げてくる。
「みちる、つらかったね」
「……」
声を出そうとすると唇が震えて、うなずくようにまばたきをしたら、ポタポタと涙がこぼれた。
「みちるはずっと強い子だった。どんなにつらくても、泣かない子だった。でも、金城さんのこととなると、涙もろくなるね」
仁志さんは私の髪を優しくなでて、涙にぬれた私の顔を胸に押し当てるように抱きしめる。
「金城さんと別れるなら、それでもいい。だけど、このまま終わらせたらいけないよ。中途半端に終わらせたらどうなるか、それはみちるが一番よくわかってることだよね」
「でも……」
「金城さんは迷惑だなんて言わないよ。だから、電話してあげなさい」