嘘よりも真実よりも
「それはありがとうございます。うちの両親とは全然?」
「みちるが成人した時に、未知子さんからいただいた手紙を最後に連絡はしてないよ。連絡っていっても、いつも未知子さんが手紙を送ってくれるだけだったんだけどね」
「近況報告程度ですか」
「そう。父親として、何ができたわけでもないけどね、みちるは成人して、俺とは関わりなく生きていけばいいと思ってたよ」
直己はコーヒーカップに口をつけると、小さく息を吐き出した。
「いろいろとね、雑誌は見たよ。六花社は何も書いてないね」
「今週金曜日発売の週刊キャストに、四乃森さんの記事を掲載します。反論などあれば、どうぞ」
「反論か……。俺がどう書かれようとかまわないが、みちるには迷惑かけてしまったね」
「奥さまは?」
「さゆみは落ち込んでしまってるよ。自分が富山家に行ったからこんな事態になったって、責めてる。どうも、俺に関わる女性はみんな不幸になるらしい」
自嘲ぎみに笑う直己は、ポケットから手帳を取り出すと、ページの後ろの方を開いた。
「金曜日といえば、俺が会見を開く日だ。隠し子の存在を否定するつもりはないよ」
「何時から?」
「23時だね。痛い腹はどこまで探られるんだろうね」
「事故の件ですね」
「そうだな。それが一番、気がかりだよ」
俺は無言で直己と清貴のやりとりを聞いていた。
ここへ来るまでに、四乃森直己の本名は久我直己であること、みちるの母である相楽万里と直己の関係など、清貴が知ってる話は全部聞いていたつもりだが、事故というワードは初耳だった。
「どんな事故だったんですか? 正直、俺もみちるもまだ生まれる前の話で、母から聞かされただけなんです」
「どんなも何も……」
直己はちらりと俺を見て、清貴に視線を戻す。
「飯沼さんはメモを取らないのか? ボイスレコーダーでもあるのかい?」
「みちるが成人した時に、未知子さんからいただいた手紙を最後に連絡はしてないよ。連絡っていっても、いつも未知子さんが手紙を送ってくれるだけだったんだけどね」
「近況報告程度ですか」
「そう。父親として、何ができたわけでもないけどね、みちるは成人して、俺とは関わりなく生きていけばいいと思ってたよ」
直己はコーヒーカップに口をつけると、小さく息を吐き出した。
「いろいろとね、雑誌は見たよ。六花社は何も書いてないね」
「今週金曜日発売の週刊キャストに、四乃森さんの記事を掲載します。反論などあれば、どうぞ」
「反論か……。俺がどう書かれようとかまわないが、みちるには迷惑かけてしまったね」
「奥さまは?」
「さゆみは落ち込んでしまってるよ。自分が富山家に行ったからこんな事態になったって、責めてる。どうも、俺に関わる女性はみんな不幸になるらしい」
自嘲ぎみに笑う直己は、ポケットから手帳を取り出すと、ページの後ろの方を開いた。
「金曜日といえば、俺が会見を開く日だ。隠し子の存在を否定するつもりはないよ」
「何時から?」
「23時だね。痛い腹はどこまで探られるんだろうね」
「事故の件ですね」
「そうだな。それが一番、気がかりだよ」
俺は無言で直己と清貴のやりとりを聞いていた。
ここへ来るまでに、四乃森直己の本名は久我直己であること、みちるの母である相楽万里と直己の関係など、清貴が知ってる話は全部聞いていたつもりだが、事故というワードは初耳だった。
「どんな事故だったんですか? 正直、俺もみちるもまだ生まれる前の話で、母から聞かされただけなんです」
「どんなも何も……」
直己はちらりと俺を見て、清貴に視線を戻す。
「飯沼さんはメモを取らないのか? ボイスレコーダーでもあるのかい?」