嘘よりも真実よりも
「みちる、テレビを見ようか」
「テレビ……?」
顔をあげると、総司さんは指の腹で私の涙をぬぐった。
「四乃森直己っていう俳優は、有名な人らしいね。俺は全然知らなかったんだけどね」
「……あの人が、出るんですか」
「会見を開くそうだよ」
リモコンをテレビへ向けて、総司さんが電源ボタンを押すと、画面に現れたのは、ちょうど、記者の待つ会見場へ姿を見せた四乃森直己だった。
「なんの会見ですか」
「隠し子騒動についてらしいよ。彼がみちるをどう思ってるのか知る、良い機会じゃないかな」
「見たくないです」
「見た方がいい。彼がみちるについて語るのは、きっと最後になるはずです」
厳しい横顔を見せる総司さんの視線は、まっすぐテレビの中の四乃森直己に向けられていた。
総司さんの目に、父はどう映るのだろう。
それを確かめるのは怖い。怖気付く私の手を、総司さんがしっかりつかんで離さないから、逃げ出したらダメなんだと思うけれど、怖かった。
テレビを見たら、四乃森直己と目が合った気がした。その時、彼は静かに息を吐いて頭を下げた。
『わたくしごとで、このような遅い時間にお集まりいただき、まことに申し訳ございません。えー、本日は、大変恐縮ではございますが、報道にありました通り、私の娘について、少しお話させていただきたいと思います』
そう挨拶をした父は、神妙な面持ちで、ふたたび口を開く。
「テレビ……?」
顔をあげると、総司さんは指の腹で私の涙をぬぐった。
「四乃森直己っていう俳優は、有名な人らしいね。俺は全然知らなかったんだけどね」
「……あの人が、出るんですか」
「会見を開くそうだよ」
リモコンをテレビへ向けて、総司さんが電源ボタンを押すと、画面に現れたのは、ちょうど、記者の待つ会見場へ姿を見せた四乃森直己だった。
「なんの会見ですか」
「隠し子騒動についてらしいよ。彼がみちるをどう思ってるのか知る、良い機会じゃないかな」
「見たくないです」
「見た方がいい。彼がみちるについて語るのは、きっと最後になるはずです」
厳しい横顔を見せる総司さんの視線は、まっすぐテレビの中の四乃森直己に向けられていた。
総司さんの目に、父はどう映るのだろう。
それを確かめるのは怖い。怖気付く私の手を、総司さんがしっかりつかんで離さないから、逃げ出したらダメなんだと思うけれど、怖かった。
テレビを見たら、四乃森直己と目が合った気がした。その時、彼は静かに息を吐いて頭を下げた。
『わたくしごとで、このような遅い時間にお集まりいただき、まことに申し訳ございません。えー、本日は、大変恐縮ではございますが、報道にありました通り、私の娘について、少しお話させていただきたいと思います』
そう挨拶をした父は、神妙な面持ちで、ふたたび口を開く。