嘘よりも真実よりも
「でも、会うつもりなんだよね。好きだから、会いたい? 会わないでいる方がつらいから、会うんだよね?」
仁志さんは私を優しく抱きしめる。それは、兄としての、優しさで。
「結局は、止められないんだよ。好きになったなら、どうしようもない」
「もし、どんなに金城さんが求めてくださっても、彼と結婚したりしないです。私はずっと仁志さんと一緒にいます」
「残酷なことを言ったらいけないよ。みちるは間違ってる。万里さんやあの人が選んだ道は、あのときは正しいように見えて、間違っていたよ」
「仁志さん……」
「大切な人を見誤ったらいけないよ。母はそう、みちるに言ったんだろう?」
仁志さんも総司さんも、私にとって大切な人だろう。ふたりとも、傷つけたくないぐらい、大切な人。
「どうしたらいいんですか。私は、相楽でも久我でもない……富山にだってなれないんです」
仁志さんは以前、富山になりたかったか? と私に聞いた。
今は、富山だったら、と思う。富山だったら、たくさんのものを得られた。金城さんだって。
「私も、富山になりたかった……」
はじめて、その思いを口にした。
それを言葉にしたら、すべてが壊れる気がして言えなかった。
富山の家にいながら、相楽万里の娘でありながら、富山でも相楽でもない私は、いつも目に見えない檻の中にいた。
仁志さんとも清貴さんとも見えない壁に阻まれていて、何者にもなれなかった。
「富山になっていい。みちるは、富山の名に恥じない女性だよ」
仁志さんは私を優しく抱きしめる。それは、兄としての、優しさで。
「結局は、止められないんだよ。好きになったなら、どうしようもない」
「もし、どんなに金城さんが求めてくださっても、彼と結婚したりしないです。私はずっと仁志さんと一緒にいます」
「残酷なことを言ったらいけないよ。みちるは間違ってる。万里さんやあの人が選んだ道は、あのときは正しいように見えて、間違っていたよ」
「仁志さん……」
「大切な人を見誤ったらいけないよ。母はそう、みちるに言ったんだろう?」
仁志さんも総司さんも、私にとって大切な人だろう。ふたりとも、傷つけたくないぐらい、大切な人。
「どうしたらいいんですか。私は、相楽でも久我でもない……富山にだってなれないんです」
仁志さんは以前、富山になりたかったか? と私に聞いた。
今は、富山だったら、と思う。富山だったら、たくさんのものを得られた。金城さんだって。
「私も、富山になりたかった……」
はじめて、その思いを口にした。
それを言葉にしたら、すべてが壊れる気がして言えなかった。
富山の家にいながら、相楽万里の娘でありながら、富山でも相楽でもない私は、いつも目に見えない檻の中にいた。
仁志さんとも清貴さんとも見えない壁に阻まれていて、何者にもなれなかった。
「富山になっていい。みちるは、富山の名に恥じない女性だよ」