嘘よりも真実よりも
手放したくない幸福
***
富山ビルから歩いて5分ほどのところにあるレストランは、軽く食事を済ませるのに便利で、よく利用していた。
幹斗に呼び出され、レストランを指定したのは俺だった。彼も同様に、このレストランの常連だった。だから、いつもの席で俺を待つ彼を見つけるのは容易だった。
「よう、総司。急に呼び出して悪かったな」
「いや、ちょうど腹が減ってたとこだよ」
「まあ、だいたいさ、何度誘ったって、忙しい忙しいって断り続けるおまえのせいでもあるからな」
「なんだよ、それ」
苦笑しながら、幹斗の向かい側に座る。
仕事を終え、何か食べて帰ろうかと考えていたところで、幹斗から一緒に食事をしないかと誘いが入った。
みちるとのデートで偶然出会って以来、3回ほど誘いを断っていたから、そろそろ俺から連絡しないとな、なんて思っていたからちょうど良かった。
「忙しいって、デートだろ?」
「幹斗より優先したい用事ではあるな」
「超美人だもんな。モデルか?」
幹斗が勘違いするのは当然だ。モデルをしていてもおかしくないぐらい、彼女は綺麗だ。明るい派手さがないから、芸能界には向かないだろうとは思うが、彼女の持つ透明感は、努力で得られない天性のものだろう。
「富山不動産のご令嬢だよ」
「富山? 富山って、あの富山?」
「ああ、富山ビルのオーナーの妹さん」
「まじかよ。すげぇとこ、狙ったな」
「普通の女性だよ」
目を点にする幹斗は、やってきたウェイターに、いつものやつ、とざっくり注文すると、すぐに食い気味に前のめりになった。
「普通って、どこが? 愛想がなくて、冷たい感じしたけどさ、あんな美女、そうそういないだろ」
富山ビルから歩いて5分ほどのところにあるレストランは、軽く食事を済ませるのに便利で、よく利用していた。
幹斗に呼び出され、レストランを指定したのは俺だった。彼も同様に、このレストランの常連だった。だから、いつもの席で俺を待つ彼を見つけるのは容易だった。
「よう、総司。急に呼び出して悪かったな」
「いや、ちょうど腹が減ってたとこだよ」
「まあ、だいたいさ、何度誘ったって、忙しい忙しいって断り続けるおまえのせいでもあるからな」
「なんだよ、それ」
苦笑しながら、幹斗の向かい側に座る。
仕事を終え、何か食べて帰ろうかと考えていたところで、幹斗から一緒に食事をしないかと誘いが入った。
みちるとのデートで偶然出会って以来、3回ほど誘いを断っていたから、そろそろ俺から連絡しないとな、なんて思っていたからちょうど良かった。
「忙しいって、デートだろ?」
「幹斗より優先したい用事ではあるな」
「超美人だもんな。モデルか?」
幹斗が勘違いするのは当然だ。モデルをしていてもおかしくないぐらい、彼女は綺麗だ。明るい派手さがないから、芸能界には向かないだろうとは思うが、彼女の持つ透明感は、努力で得られない天性のものだろう。
「富山不動産のご令嬢だよ」
「富山? 富山って、あの富山?」
「ああ、富山ビルのオーナーの妹さん」
「まじかよ。すげぇとこ、狙ったな」
「普通の女性だよ」
目を点にする幹斗は、やってきたウェイターに、いつものやつ、とざっくり注文すると、すぐに食い気味に前のめりになった。
「普通って、どこが? 愛想がなくて、冷たい感じしたけどさ、あんな美女、そうそういないだろ」