嘘よりも真実よりも
「愛想がないって、まあな、緊張してたんだろ」
初対面のとき、俺に対してもそうだった。最近はまっすぐ俺を見つめてくれるようになり、どんな話も熱心に耳を傾けてくれて、時折、笑顔を見せてくれる。
何度、抱きしめてしまいたいと思ったことか。もう一度、美しい唇に触れたいとも。
「付き合って浅いわけ?」
「正直言うとさ、まだ付き合ってない」
「は? ……マジかよ」
目をむく幹斗の前へ、ウェイターが食事を運ぶ。
生ハムのサラダとビシソワーズ、メインはフィレステーキのようだ。同じものが、すぐに俺にも運ばれてくる。
「先にいただくよ」
「あ、ああ、食え食え。で、どうなんだよ。富山のご令嬢は脈ありか?」
「さあ、どうかな。なかなか返事はもらえない」
俺の気持ちはじゅうぶん伝えているが、彼女は恋愛に消極的で、俺たちの関係を明確にするのを嫌っているようにも感じる。
「おまえでも無理なら、誰でも無理だろ。あんな美人じゃ、そこらへんの男なら敬遠するだろうしな」
「ああ、そうか。そうだよな。警戒心が強いわりに隙だらけで、彼氏がいないなんておかしいなって思ったけどさ、そうか、近寄りがたいのか」
「そりゃ、近寄れないだろ、普通」
「まあ、付き合ってた男はいそうだったけどな。羨ましいよ」
「素直すぎんか? おまえ」
幹斗はおかしそうに声を立てて笑う。俺は真摯に悩んでるつもりだが。所詮、ひとごとだ。
「幹斗の方はどうなんだよ。飲み会、どうだった?」
初対面のとき、俺に対してもそうだった。最近はまっすぐ俺を見つめてくれるようになり、どんな話も熱心に耳を傾けてくれて、時折、笑顔を見せてくれる。
何度、抱きしめてしまいたいと思ったことか。もう一度、美しい唇に触れたいとも。
「付き合って浅いわけ?」
「正直言うとさ、まだ付き合ってない」
「は? ……マジかよ」
目をむく幹斗の前へ、ウェイターが食事を運ぶ。
生ハムのサラダとビシソワーズ、メインはフィレステーキのようだ。同じものが、すぐに俺にも運ばれてくる。
「先にいただくよ」
「あ、ああ、食え食え。で、どうなんだよ。富山のご令嬢は脈ありか?」
「さあ、どうかな。なかなか返事はもらえない」
俺の気持ちはじゅうぶん伝えているが、彼女は恋愛に消極的で、俺たちの関係を明確にするのを嫌っているようにも感じる。
「おまえでも無理なら、誰でも無理だろ。あんな美人じゃ、そこらへんの男なら敬遠するだろうしな」
「ああ、そうか。そうだよな。警戒心が強いわりに隙だらけで、彼氏がいないなんておかしいなって思ったけどさ、そうか、近寄りがたいのか」
「そりゃ、近寄れないだろ、普通」
「まあ、付き合ってた男はいそうだったけどな。羨ましいよ」
「素直すぎんか? おまえ」
幹斗はおかしそうに声を立てて笑う。俺は真摯に悩んでるつもりだが。所詮、ひとごとだ。
「幹斗の方はどうなんだよ。飲み会、どうだった?」