嘘よりも真実よりも
 総司さんはうっすら笑んで、私のほおに手を添える。彼はほおに触れるのが好きみたい。親指でほおをなで下ろすから、ほんの少しくすぐったい。

「お仕事、お忙しいですね」
「週末は、社長の会合に同行することになりましてね。2週間後には会えますよ」
「2週間……ずいぶん、会えない気がしてましたけど、すぐに会えますね」
「俺は毎日会いたいぐらいですけどね」

 私の前にひざを進めた彼は、両腕を広げて私を優しく包み込む。

「やっと、みちるさんに届きました」

 彼がそう言った時、チャイムが鳴る。

 総司さんはすぐに立ち上がると玄関へ向かった。デリバリーが到着したみたい。ビニール袋をさげて戻ってきた彼は、テーブルの上にそれを乗せると、私のほおを両手ではさみこむ。

「金城さん……?」
「邪魔が入りました。食事の前に、キスしても?」
「えっ……」

 後ろ頭に手が回る。拒む必要もなくて、重なる唇を受け止める。

「続きも、したいです」

 彼はそう、告白する。まっすぐに見つめられたら、逃げ出せない。彼はそのつもりで誘ったのだろうし、私もそのつもりでついてきた。

 気持ちを確かめてから誘われるまでの時間が性急な気はしたけれど、彼はずっと私を好きでいてくれて、ずっとそういう思いを抱えていたのかもしれない。

 迷いながらも小さくうなずいたら、総司さんは色っぽい目をして、視線をさげた。
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