嘘よりも真実よりも
*
総司さんに兄弟がいるかどうか確かめて、どうしようと思ったのだろう。
後継ぎでなければ、私をもっと知りたいと言ってくれた彼と、いつか結婚できるかもしれないなんて信じようとしたのだろうか。
彼を好きになってしまったから、迷惑かけたくなくて、嘘をつく決意をした。この決断は正しいと思っていた。
仁志さんはいつか真実を話せる日が来ると言ってくれたけれど、それはいつなのだろう。話したら、結局終わるんじゃないかと思うと言い出せない。
言わないことは、嘘をつくのと同等で、私はずっと彼に嘘をつき続けて生きていくしかできない。
「あ、みちる、おはよう。テレビ、見てみろよ。結婚祝福の次は、粗探しだよ」
「テレビ?」
リビングでコーヒーを飲みながら、清貴さんがテレビを指差す。
視線を移すと、目に飛び込んできたのは、四乃森直己の顔写真だった。
『いやー、驚きましたね。隠し子がいるなんて、イメージにもない方ですよね、四乃森直己さんは』
『それがそうでもなかったりするんですよ。四乃森直己さんは、今や正統派名バイプレーヤーですが、若い頃はそうそうたる女優の方たちとうわさのある、お騒がせの方でしたから。今回、週刊誌に報じられましたのは、一般女性の方との間に生まれたお子さんがいらっしゃるということですが___』
「くだらないよな。30年も前の話を掘り返して。あっちもこっちもかき乱して、騒ぎたいだけみたいだ」
清貴さんは肩をすくめると、テレビを消した。それ以上の情報はなく、ただ繰り返し繰り返し報道してるだけなのだろう。
「マスコミはまだみちるに気づいてないよ。誰かが隠し子がいるってリークしたんだろう。四乃森直己が結婚して、金になるって思ったんだろうな」
「時間の問題ですね……」
総司さんに兄弟がいるかどうか確かめて、どうしようと思ったのだろう。
後継ぎでなければ、私をもっと知りたいと言ってくれた彼と、いつか結婚できるかもしれないなんて信じようとしたのだろうか。
彼を好きになってしまったから、迷惑かけたくなくて、嘘をつく決意をした。この決断は正しいと思っていた。
仁志さんはいつか真実を話せる日が来ると言ってくれたけれど、それはいつなのだろう。話したら、結局終わるんじゃないかと思うと言い出せない。
言わないことは、嘘をつくのと同等で、私はずっと彼に嘘をつき続けて生きていくしかできない。
「あ、みちる、おはよう。テレビ、見てみろよ。結婚祝福の次は、粗探しだよ」
「テレビ?」
リビングでコーヒーを飲みながら、清貴さんがテレビを指差す。
視線を移すと、目に飛び込んできたのは、四乃森直己の顔写真だった。
『いやー、驚きましたね。隠し子がいるなんて、イメージにもない方ですよね、四乃森直己さんは』
『それがそうでもなかったりするんですよ。四乃森直己さんは、今や正統派名バイプレーヤーですが、若い頃はそうそうたる女優の方たちとうわさのある、お騒がせの方でしたから。今回、週刊誌に報じられましたのは、一般女性の方との間に生まれたお子さんがいらっしゃるということですが___』
「くだらないよな。30年も前の話を掘り返して。あっちもこっちもかき乱して、騒ぎたいだけみたいだ」
清貴さんは肩をすくめると、テレビを消した。それ以上の情報はなく、ただ繰り返し繰り返し報道してるだけなのだろう。
「マスコミはまだみちるに気づいてないよ。誰かが隠し子がいるってリークしたんだろう。四乃森直己が結婚して、金になるって思ったんだろうな」
「時間の問題ですね……」