嘘よりも真実よりも
母の万里が、同い年の四乃森直己と付き合い始めたのは、19歳の時だった。大学時代に、売れないモデルだった直己と出会い、交際していた。
20歳で万里は両親を亡くし、その後、21歳の時に直己は代表作『つまらない夢』で好青年を演じ、ブレイク。モデルから俳優へと転身したが、それでもふたりは別れることなく交際を続けていた。
しかし、直己が売れれば売れるほど、万里はマスコミに狙われた。富山家に匿われるようにして暮らしていたが、心身ともに疲弊した万里は、直己と次第に疎遠になり、23歳で未婚の母となった。
「この日がいつか来るとわかってて、四乃森直己はずっとみちるに会わずに生きてきたんだ。バレるようなへまはしてない」
「……本当に?」
不安になる私を、清貴さんは険しい表情で見つめる。
「富山ビルの受付にいる椎名さん……」
「椎名?」
「彼女、私を見て驚いてたんです。なんであんな表情したんだろうって、気になって」
「椎名って、椎名さゆみの妹?」
「はい、そうです」
仁志さんから聞かされた椎名さゆみの話は、清貴さんも全部承知なのだろう。
「四乃森直己と私が似てるって、気づいたんでしょうか。だから、マスコミに……」
「だからって、いきなり親子だとは思わないだろう。それは心配しすぎだ」
「じゃあ、誰がマスコミに」
「30年前のことを知るやつはいるだろう。四乃森直己を妬んでるやつだっているはずだ」
それはそうかもしれない。
四乃森直己は探れば探るほど、スキャンダルの出る俳優でもある。
「うわさの出どころを追うのは難しいかもしれないが、四乃森直己を取材する価値はありそうだな」
「取材?」
清貴さんはうなずいて、にやりと笑う。
「六花社の週刊キャストで、とびきりのスクープを飯沼に書かせるさ」
20歳で万里は両親を亡くし、その後、21歳の時に直己は代表作『つまらない夢』で好青年を演じ、ブレイク。モデルから俳優へと転身したが、それでもふたりは別れることなく交際を続けていた。
しかし、直己が売れれば売れるほど、万里はマスコミに狙われた。富山家に匿われるようにして暮らしていたが、心身ともに疲弊した万里は、直己と次第に疎遠になり、23歳で未婚の母となった。
「この日がいつか来るとわかってて、四乃森直己はずっとみちるに会わずに生きてきたんだ。バレるようなへまはしてない」
「……本当に?」
不安になる私を、清貴さんは険しい表情で見つめる。
「富山ビルの受付にいる椎名さん……」
「椎名?」
「彼女、私を見て驚いてたんです。なんであんな表情したんだろうって、気になって」
「椎名って、椎名さゆみの妹?」
「はい、そうです」
仁志さんから聞かされた椎名さゆみの話は、清貴さんも全部承知なのだろう。
「四乃森直己と私が似てるって、気づいたんでしょうか。だから、マスコミに……」
「だからって、いきなり親子だとは思わないだろう。それは心配しすぎだ」
「じゃあ、誰がマスコミに」
「30年前のことを知るやつはいるだろう。四乃森直己を妬んでるやつだっているはずだ」
それはそうかもしれない。
四乃森直己は探れば探るほど、スキャンダルの出る俳優でもある。
「うわさの出どころを追うのは難しいかもしれないが、四乃森直己を取材する価値はありそうだな」
「取材?」
清貴さんはうなずいて、にやりと笑う。
「六花社の週刊キャストで、とびきりのスクープを飯沼に書かせるさ」