嘘よりも真実よりも
3時を過ぎた頃、郵便物を取りに外へ出た。塀に取り付けられた郵便受けを開いて、眉をひそめる。見たことのある真っ白な封筒が、一通届けられていた。
おそるおそる封筒を手に取る。表面には、富山豊彦様方 久我みちる様、とある。しかし、以前とは違って、手書きの文字だった。裏返してみるが、差出人の名前はない。
すぐにリビングへ戻り、ペーパーナイフを使って封筒を開いた。中には、一枚の便せんが入っていた。
三つ折りになったそれを開く。予想外に、便せんには文字が綴られていた。
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久我みちるさんへ
大切なお話があり、筆を取りました。私はあなたの秘密を知っています。一度、会ってお話がしたいです。
ホテルベリシマ内にありますレストランカランコエで、20時に待っています。来てくださるまで、毎日待っています。
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手紙を読み終えると、そっと便せんを封筒に戻した。
優しい丸みを帯びた文字や、その文面から、女性からの手紙だと、容易に想像はついた。
真っ先に思い浮かんだのは、椎名さゆみだった。私の秘密と書かれているけれど、私が内緒にしたいのは、四乃森直己のこと以外にない。
一通目の手紙の時は、なぜ白紙だったのだろう。彼女が私とコンタクト取るのをためらっていたからか、それとも、単なる嫌がらせだったのか。
嫌がらせだったとすれば、ひとりで会いに出かけても大丈夫なのだろうか。
テーブルの上にあるスマホを手に取り、電話をかけた。すぐに電話はつながった。
「どうした? みちる」
「清貴さん、ごめんなさい……、ご相談があって」