嘘よりも真実よりも
「珍しいな、俺を頼るなんて。何かあったか?」
茶化すように言うけれど、ピリッとした空気が流れる。清貴さんだって、私のことで気を遣ってくれている。
「また差出人のない手紙が来たんです」
「白紙のやつか?」
「はい。でも、今日はちゃんとお手紙が入っていました。私に会いたいと。たぶん、女性の方です」
そう言うと、清貴さんはしばらく思案げに沈黙して、尋ねてきた。
「いつ会う?」
「ホテルベリシマで、20時に」
「わかった。俺も行く。みちるは家で待ってろ」
「ありがとうございます……」
「いや、俺も会ってみたいからな。直己さんの奥さんに」
「えっ? 清貴さんも椎名さゆみさんだって思うんですか?」
やっぱり、という思いが強くなる。
「前に送られてきた手紙の消印から、椎名さゆみじゃないかって疑ってた」
「消印ですか?」
「うん。さゆみの実家のある地域を管轄する郵便局のものだった」
「実家?」
「さすがに新居で手紙を書くのはまずいと思ったんじゃないか?」
「そう……ですね」
手紙の主がさゆみさんなら、直己には絶対知られたくないと思うだろう。夫の隠し子が、自身とそれほど歳の変わらない女性だなんて、私だったら動揺する。
だけど、会いたいなんて思うだろうか。しばらく考えて、首を横に振る。興味はあっても、私なら会わない気がする。
差出人は、大切な話があるという。
何か確かめたいことでもあるのだろうか。四乃森直己には秘密がある。私の秘密を知ってるというけれど、彼の秘密を知りたいのだろうか……。
茶化すように言うけれど、ピリッとした空気が流れる。清貴さんだって、私のことで気を遣ってくれている。
「また差出人のない手紙が来たんです」
「白紙のやつか?」
「はい。でも、今日はちゃんとお手紙が入っていました。私に会いたいと。たぶん、女性の方です」
そう言うと、清貴さんはしばらく思案げに沈黙して、尋ねてきた。
「いつ会う?」
「ホテルベリシマで、20時に」
「わかった。俺も行く。みちるは家で待ってろ」
「ありがとうございます……」
「いや、俺も会ってみたいからな。直己さんの奥さんに」
「えっ? 清貴さんも椎名さゆみさんだって思うんですか?」
やっぱり、という思いが強くなる。
「前に送られてきた手紙の消印から、椎名さゆみじゃないかって疑ってた」
「消印ですか?」
「うん。さゆみの実家のある地域を管轄する郵便局のものだった」
「実家?」
「さすがに新居で手紙を書くのはまずいと思ったんじゃないか?」
「そう……ですね」
手紙の主がさゆみさんなら、直己には絶対知られたくないと思うだろう。夫の隠し子が、自身とそれほど歳の変わらない女性だなんて、私だったら動揺する。
だけど、会いたいなんて思うだろうか。しばらく考えて、首を横に振る。興味はあっても、私なら会わない気がする。
差出人は、大切な話があるという。
何か確かめたいことでもあるのだろうか。四乃森直己には秘密がある。私の秘密を知ってるというけれど、彼の秘密を知りたいのだろうか……。