嘘よりも真実よりも
「だったら、何?」
清貴さんは退屈そうに足を組むと、メニューを眺める。
「何って……」
肩透かしをくらった彩香は、眉をひそめる。
「みちるが誰の娘だろうが、椎名彩香さんには関係ないと思うけど? 文句があるなら、自分で言いに来いって、さゆみさんに伝えるといい」
「なっ……、あ、姉は関係ないです」
「あっそう」
清貴さんはウエイターを呼ぶと、おすすめでと、三人分のメニューを注文した。食事して、さっさと帰ろうとしてるみたい。
「あの……、どうして私の写真を?」
興味の尽きた表情の清貴さんを、にらむように見つめる彩香さんにおそるおそる尋ねる。まだ私は何も聞いてない。
なぜ、彩香さんが私の秘密にたどり着いたのかを。
「姉のさゆみが、四乃森直己と結婚するって言い出した時は驚きました。姉はテレビなんて見ない人で、直己さんが芸能人だってことすら知らないような人でしたから」
「何も知らずに、結婚されたんですね」
「婚姻届に必要な書類は全部、直己さんが用意して、姉はお任せしていたそうです」
「戸籍を、見られたくなかったんですね」
「この写真が見つからなければ、何も知らずに姉は過ごしていくところでした」
彩香さんは写真に手を添えたまま、もう一度、私の方に差し出した。これは、決定的な証拠なのだと確信してるみたいに。
「直己さんの書斎に、聖書があるそうです」
黙って写真を見つめる私に、彩香さんはそう切り出す。
「聖書ですか?」
「古びた、誰も触らないような。読んでもないもののように見えたそうです。姉は書斎の整頓を申し出たそうですが、直己さんはこれはこのままでいいとおっしゃったそうです」
「それで……?」
「姉は綺麗好きなんです。本棚を掃除してる時に、聖書をずらしたら、その拍子に間から白い封筒が出てきたそうです」
清貴さんは退屈そうに足を組むと、メニューを眺める。
「何って……」
肩透かしをくらった彩香は、眉をひそめる。
「みちるが誰の娘だろうが、椎名彩香さんには関係ないと思うけど? 文句があるなら、自分で言いに来いって、さゆみさんに伝えるといい」
「なっ……、あ、姉は関係ないです」
「あっそう」
清貴さんはウエイターを呼ぶと、おすすめでと、三人分のメニューを注文した。食事して、さっさと帰ろうとしてるみたい。
「あの……、どうして私の写真を?」
興味の尽きた表情の清貴さんを、にらむように見つめる彩香さんにおそるおそる尋ねる。まだ私は何も聞いてない。
なぜ、彩香さんが私の秘密にたどり着いたのかを。
「姉のさゆみが、四乃森直己と結婚するって言い出した時は驚きました。姉はテレビなんて見ない人で、直己さんが芸能人だってことすら知らないような人でしたから」
「何も知らずに、結婚されたんですね」
「婚姻届に必要な書類は全部、直己さんが用意して、姉はお任せしていたそうです」
「戸籍を、見られたくなかったんですね」
「この写真が見つからなければ、何も知らずに姉は過ごしていくところでした」
彩香さんは写真に手を添えたまま、もう一度、私の方に差し出した。これは、決定的な証拠なのだと確信してるみたいに。
「直己さんの書斎に、聖書があるそうです」
黙って写真を見つめる私に、彩香さんはそう切り出す。
「聖書ですか?」
「古びた、誰も触らないような。読んでもないもののように見えたそうです。姉は書斎の整頓を申し出たそうですが、直己さんはこれはこのままでいいとおっしゃったそうです」
「それで……?」
「姉は綺麗好きなんです。本棚を掃除してる時に、聖書をずらしたら、その拍子に間から白い封筒が出てきたそうです」