クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
「今、奥様に会うことは?」

「ええ。問題ありませんよ。ご案内いたします」

 自分の気持ちに素直になればいいのに、それを難しく考え余計に複雑化させているような上官。ただのエロ親父の方が数倍もマシだ、と悪態もつきたくなる。

「奥様」
 サンドラが自室で休んでいるレーニスに声をかけると、部屋へ入ってくるようにという声が中から聞こえた。

「あら、ティメル」
 ソファにゆったりと座って、何をするわけでもなくただ休んでいるように見えたレーニスは、昼前に会った時よりもその顔には疲労の色が濃く表れているように見えた。
「飛竜の様子は?」

 覚えていてくれたのか、という思いがどこかにあった。

< 115 / 318 >

この作品をシェア

pagetop