クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
 レーニスを乗せた馬車は不規則に揺れながら、フォッセ家の屋敷を目指していた。あの神殿から、街の外れにあるフォッセ家の屋敷へ。遠いとも近いとも言えない、微妙な距離。馬車に揺られて一時間ほど。

「あぁ、レーニス。無事に帰ってきてくれてよかった」

 言い、彼女を迎えてくれたのはクエバだった。

「レーニス。お帰りなさい」
 隣には彼の妻であるロイスが笑顔を浮かべて立っていた。
 まさか、このように受け入れてもらえるとは思っていなかったから、レーニスは茫然と立ち尽くすことしかできなかった。
 彼らの頭上にも憎らしいくらいの青空が広がっている。きらきらと太陽の光を受けて輝いているようにも見えた。

「レーニス。大丈夫か?」
 クエバが心配そうに姪の顔を覗き込む。

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