クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
 と言う彼女の問いに「無い」と即答したデーセオは、たまらず彼女の唇を己のそれで塞いだ。レーニスは少し背伸びをしているのか、身体がふるふると震えていた。このような可愛らしい反応をされてしまったら、気持ちが昂ってきてしまう。己を御するためにも名残惜しそうにデーセオはそれを終わらせた。

「レーニス。お前にもいろいろと相談したいことがある。悪いが、報告は執務室で行いたい。ここにいると、その、まぁ、あれ、だからな」

「承知しました」
 レーニスが事務的に頭を下げてくれたので、なんとか自制というものを取り戻したデーセオである。
 デーセオはこちらに戻る前に竜騎士部隊の宿舎の方に顔を出し、魔術師小隊の副隊長と、竜騎士部隊の副部隊長にもこちらに来るようにと指示を出していた。ただ「すぐに」ではなく「一時間後に」ということを添えて。つまり、その一時間だけはレーニスと二人きりでいたいと思ったからだ。
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