クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
「今日の予定は?」
 レーニスはサンドラにそれを確認した。この領主の妻となってしまった以上、やるべきこと、学ぶべきことはたくさんある。

「はい」
 サンドラの言葉に耳を傾けながら、なぜかレーニスはデーセオのことを考えていた。

 この国では十六歳で成人を迎える。そして、レーニスは十五歳の時に聖女候補となった。両親と共に神殿を訪れ、これから成人を迎えるレーニスに祝福の祈りを捧げてもらおうとしたとき、その聖女様がレーニスの力に気付いた。だから聖女候補となる者は十五歳前後が多い。成人の祝福の祈りを捧げるために神殿を訪れたときに、その力がわかるというのが一般的だからだ。
 レーニスの両親は、レーニスが聖女候補となることをあまり喜びはしなかった。名誉あることであるにも関わらず、家族は一緒に暮らした方がいいと思っていた両親は、レーニスと離れて暮らすことを心から寂しがっていたからだ。
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