偽装結婚の行く末



「美優、なんか嬉しそうだな」


その夜、家に帰ると昴はあたしの顔を見て不思議そうな顔をした。
あれ、そんなに顔に出てる?


「ふふん、ケリつけてきた」

「元ヤン発揮すんなよ、結婚前に何しでかしたんだお前」

「違うって、佐久間に結婚するって宣言してきたの」


佐久間、と言うと思い出すように視線を斜め上に向けて考える仕草をする昴。
数秒後「……ああ」と呟いて指を鳴らした。


「お前がビンタした男か、顔はいいけどクズってやつ?」

「そうそう、今日たまたま見かけたから話しかけてみたんだ」

「よく話しかけたな、さすがの美優も気まずいだろ」

「まあでも、昴とこうなったきっかけは佐久間だからそこは感謝しないとね」


佐久間のことは憎かったけど、佐久間がいなかったら昴の偽装結婚の話には乗らなかったかもしれない。
だから佐久間には一周回って感謝してる。
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