偽装結婚の行く末
「そういえば佐久間、好きな子できたんだって。ま、クズだからすぐ飽きそうだけど」

「へえ、クズ男が心変わりするほどのお相手がどんな人間か気になるな」

「だよね、もうあたしには関係ないと思って聞かなかったけど聞けばよかった。
逆にフラれたら見ものだし」

「ふーん」


昴は生返事をして突然あたしの腕をガシッと掴んできた。
顔を上げたら指先であごを持ち上げられて急にキスをされた。


「……んんー!」

「暴れんなよ、相変わらずじゃじゃ馬だな」

「いや、なんなの急に!」


不満そうだから気になってキスを中断する。
すると昴は唇を尖らせてあたしをじとっと睨んできた。


「他の男の話されて気分いいと思うか?」


……珍しい、昴が嫉妬してる。
いじけた顔がかわいくてキュンキュンする。


「え、やだ……ヤキモチ?」

「目を輝かせんなよ、怒ってんだけどなあ」

「だって、昴が分かりやすく嫉妬なんて珍しいじゃん。
へへ、おもしろいもの見た」

「……ほーん、そんなに泣かされたいか」


調子に乗って煽ったら、今度は両肩を掴まれて近くのソファーに押し倒された。
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