偽装結婚の行く末
「え?すみません、聞き間違いかもしれないのでもう一度……」

「だから、婚約者」

「はぁぁ!?」


元々リアクションのいい伊里。
大声を上げると声が響いて、同じフロアにいたみんなに「伊里、うるせーぞ」と怒られてた。


「すみません……けど今のは仕方ないでしょ、マジすか!?」

「マジ、写真見る?」


興奮気味な伊里に、この前のパーティの写真を見せる。
一番見栄えの良いやつを見せたら伊里顔をしかめた。


「うっわ!うわ〜……昴さん、マジでないっすわ」

「何がだよ」

「ちょっと皆さんちゅうもーく!社長がとんでもない美人と婚約したそうです〜」


伊里はまっすぐ手を上げて社員の注目を集める。
すると古参のメンバーを中心に集まってきた。

お前ら仕事そっちのけかよ、ウケる。


「は?くっそ美人……気が強そうなのもいい」

「どこで知り合ったんですかこんな美人と!」

「バーで引っかけるのが相場でしょ。顔がいいんだから」


最古参の社員・開発部部長の真綺まきにスマホを取られ、美優の写真を社員が回覧している。
別にいいけど何だこの状況、たまにこういうこと起きるよなウチの会社。
< 174 / 182 >

この作品をシェア

pagetop