偽装結婚の行く末
「美優って、黙ってりゃ美人だよな」


買ってきたカヌレを頬張る美優を観察する。
すっぴんの美優を見ると、幼い時の面影を感じて懐かしい。


「何?さっきからウザイんですけど」

「割とマジで、付き合わない?」

「……」


真剣な顔で告白するも、美優は口をもぐもぐさせながら目を細めて不機嫌になった。
美優、そんな顔しても今のお前、ハムスターみたいで全然怖くないからな。


「冗談も大概にして」

「こんなに何度も伝えて、冗談だと思うか?」

「そうやって何度も騙されてきたから信じない」


そう言われたらこれ以上何も言えない。
信じてくれ、は逆効果だしな。

あー、こりゃダメだ。強行突破しかねえな。
無言でカヌレを口に運ぶ美優を見つめながら、本気で口説き落とすための計画を立てることにした。
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