偽装結婚の行く末



『美優の職場の近くで仕事だったから帰り送るわ』と昴から連絡が来たのは水曜日。
職場から少し離れたところに車を停めてもらって、退勤後そっちに向かった。


「ほい、これあげる」

「え、何?」


すると膝の上にぽすっと封筒を投げられた。
おもむろに中身を確認して、それから昴を二度見した。


「札束入ってんだけど!?」

「それ、約束の100万」

「ば、馬鹿じゃないの!?これもらってあたしがトンズラしたらどうすんの!」

「トンズラって……今どきのOLの言葉じゃねえだろ。今の若いヤツに通用しねえよ。
……ああ、美優は中身おっさんだったな」

「そんなのどうでもいいけど、いきなり100万は受け取れないって!」


もらった封筒を昴に返却したら、片手で押し返された。


「美優はそんなことしねえの知ってる」

「……いや、分かんないよ。裏切ったらどうすんの」

「実家知ってるからすぐ足着くぞ」

「そ、そっか」


確かに家族ぐるみの付き合いだから悪いことしたらすぐバレそう。
でも、こんな形で大金もらうことになるとはなぁ。
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