偽装結婚の行く末
「“あたしが作ってやろうか?”とかねえの?」

「舌が肥えてるだろうからヤダ。むしろ昴はやらないだけで料理できるでしょ」

「うん、一人暮らしの自炊は効率悪いからやらない。
……とりあえず荷物自分の部屋に移動する?」


あたしが不器用なの知って質問してくるんだから。
ったく、性格悪い。

移動する昴の後頭部を睨みながら後をついていく。
けど、案内された部屋の中を見てあたしはビックリしてしまった。


「ベッド……シモンズ!」

「それもらったやつ」

「シモンズのベッドもらうってなんなの?」

「なんでキレてんだよ」


なんと部屋の中央にシモンズ製のベッドがお出迎え。
どうしてくれんの昴。
半年間もシモンズのベッドに寝てたら普通のマットレスに戻れないじゃん!


「無視?まあいいや、好きに使え」

「……汚さないようにしないと」

「へえ、お前まだおねしょ癖治ってねえの?」

「おねしょなわけないでしょうが!バーカ!」


腹立つ顔で煽ってきたから思わず口が悪くなる。
あたしは生理の時を心配をしてたんだっての!

正面切って睨んだら「ほんといじりがいあるな」って昴は笑った。
まじ性格悪い。さっきから割とひどいこと言われてんのに笑顔にドキッとする自分にも腹が立つ。

はぁ、あたしってほんとチョロい。
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