偽装結婚の行く末
喫茶店に着いてメニューをテーブルに広げる。
老夫婦が経営してる、アンティーク家具に囲まれた喫茶店。
いい雰囲気だし混雑してない。うん、週一で通いたい。


「んー、これにしようかな」

「こっちじゃなくていい?デラックスパフェ」

「食べたいけど高いじゃん」

「俺が出すからいいよ」


自分でお金を出すつもりでミニパフェがついたおすすめランチを選ぼうとしたのに、昴は本当に奢ってくれるつもりらしい。


「いや、あれは言葉のあやだから」

「いいって。俺、美優の10倍は月収あるから」

「は?」


何気ない会話から昴の月給が発覚。
あたしの10倍ってことは……200万くらい!?


「そ、それって手取りで!?」

「うん」


手取りで200!?
あたしの給与が雀の涙レベルじゃん!


「ウチ社員少ないから一人当たりの報酬結構ある」

「いいなぁ、そこに転職したい」

「プログラミングのスキルないからダメ」

「ですよね〜」

「美優は顔がいいから玉の輿狙えば?」


へえ、昴ってあたしのこと顔はいいと思ってんだ。
まったく掴めない性格だからそう思ってるなんて知らなかった。

てか、玉の輿狙うにしてもあんたの婚約者を演じてるうちは無理だし。


「生憎そんな器用じゃないのよ」

「確かに。そもそも男見る目ないから無理難題だな」


ケタケタ笑う昴に「うるさい」と顔をしかめる。
相変わらずうざいからお望み通り一番高いランチメニューを選んでやった。
< 32 / 182 >

この作品をシェア

pagetop