偽装結婚の行く末
食べ終わったら昴は後片付けまでしてくれた。

両親が家にいない時、たまにご飯作ってくれたっけ。
そう考えると子供の頃から昴ってすごいな。


「美優、俺に見惚れてる時間があったら歯磨いてこい」

「ぼーっとしてただけですけど」


図星をつかれてムッとして立ち上がる。


「へー、図星?相変わらず分かりやすいな」

「うるさい、自意識過剰なんじゃない?」

「はいはい、そういうことでいいよ」


子供の頃の4歳差は大きくて、こうやって見透かされるのが気に食わなかった。
裏を返せばそれは、昴はあたしのことよく見てくれてるってことだ。

あたし、分かってるのにいつまで意地を張るつもりだろ。


「昴……ありがと」

「珍しい、明日は大雨かな」


試しにいつもと違うことを言ってみた。
昴は普段通りからかってきたけどいい笑顔。

久々に見た屈託のない笑みになぜかときめく。
胸の高鳴りを認めたくなくて、昴の言う通り歯を磨いて寝室に向かった。
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