偽装結婚の行く末
「おーおー、すげえ歯ぎしり」

「くっ……舞妓さんと遊べるなんて、まさに金持ちの道楽」

「あれ、舞妓がよかった?今日芸妓しか空いてないみたいだから舞妓いねえよ」

「……舞妓さんと芸妓さんって違うの?」

「舞妓はだいたい20歳以下の半人前ってとこ。
で、舞妓が経験重ねるとなれるのが芸妓」


そして当然ながら専門用語に詳しい。
とりあえず、芸妓さんの方がベテランってことは分かった。


「詳しいんですね……」

「なんで悔しそうなんだよ」

「住む世界が違うって思ったの。
普通に暮らしてる人はそんなこと知らないし」

「ならこっち側に連れてきてやるから。ほら、来いよ」


あたしは大概かわいくないことしか言えない。
だけど昴はあたしを受け入れて自分の世界に連れ出してくれる。

勘違いしたくないのに、まるで特別扱いされてる気分。
嬉しい気持ちは顔には出さないけど、代わりに昴の手をぎゅっと握った。
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